東京、イタリア・ミラノでの様々な経験を経て、片折へ
まず、片折に入社するまでの戸丸さんの経歴を教えてください。
群馬県の寿司屋の息子として生まれ、16歳で上京して老舗寿司屋で修行を始めました。
寿司の理論を学ぶため、鮨アカデミーに通った後、19歳でイタリア・ミラノにある日本料理店で働き始めました。
ミラノで4年働き、料理長を務めているうちに、自分の中に「このままでは成長がないな」という疑問が湧いてきたんですね。
日本に帰って、トップのお店で料理をしたいという気持ちが膨らみ、24歳で都内の有名日本料理店に入りました。
物凄く勉強になりましたが、激しい環境だったので調子を崩してしまって、26歳で会員制ホテルの厨房に転職しました。
そこからはホテルの仕事と並行して、フリーランスの寿司職人としてケータリングなども行っていました。
30歳になったタイミングでホテルから片折に転職しました。
片折で働けなかったら包丁を置こうと思っていた
ホテルから片折に転職したときの話を聞かせてください。
ホテルで働いていたころ、このままじゃダメだという思いがずっとありました。
お給料もいいし、労働環境もホワイトでした。でも中途半端に料理をやるのが嫌で、すごく悩んでいました。
片折の事はイタリアにいたころから知っていて、働いてみたいとずっと思っていたんですね。
そんな中、先輩が「片折が料理人募集してるらしいぞ」と。すぐ応募して、金沢に面接しに来ました。
その時は、片折で働けなかったらすっぱりと料理を辞めようと思っていました。畑が好きだし、農家にでもなろうかなと。
おやっさんにそういう思いの丈を伝えて、採用頂いて金沢に引っ越してきました。
おやっさんになら、自分を全部預けられると思った
転職先として片折を選んだ、決め手はありましたか?
まず1つは教育ですね。おやっさんのインタビューを見て、部下を大切に教育している話に感銘を受けました。やっぱりこの業界だと、高圧的な指導や暴力がいまだにあるので、そうじゃない環境を作っていることにすごく興味がありました。
もう一つが食材です。毎日氷見港まで行って魚を仕入れているのもそうだし、地場の野菜や山菜を使って料理しているのにすごくそそられました。
あとはおやっさんのお人柄ですね。面接で初めてお会いしたとき、この人になら自分を全部預けられると感じました。一緒に働くようになって思うのは、元気・明るい・謙虚な方で、全然偉そうじゃない。気配りもマメで、すごく信頼しています。
正直、最初は生活が心配だった
石川に引っ越してきて、どうでしたか?
最初は、正直生活が大丈夫か心配でした。前職の待遇が良かったのもあり、最初は給与が下がったので。
妻には一旦実家に住んでもらって、安いアパートで金沢の生活を始めました。
働き始めてしばらくして給与を上げてもらい、生活が安定したので半年後には妻も金沢に呼ぶことが出来ました。
今の暮らしにはとても満足しています。人も多くないし、自然も豊かで、食べものもおいしいです。
プライベートでも近江町市場で魚を買って、家で海鮮鍋を二人で食べたりしています。
引き算の料理だけど、ハッとするようなおいしさ
片折に来て、学びになったことを教えてください。
全てが学びになりました。
特に料理で、京都でも東京でもない独自の日本料理だと感じています。
東京はどうしても足し算の料理になりがちですが、片折は全く違う。
素材を大切にして、引き算の料理なんだけどハッとするようなおいしさだと思います。
特に冬のお椀でお出ししている蟹寄せには感動しました。
シンプルだけれども滋味深く、出汁と蟹が出会った時に長い余韻が残る。
すり身を極限まで減らしているからこその味わいに驚きました。
短距離走みたいなペースに、最初は戸惑った
逆に、片折に来て難しかったことや、失敗したことはありますか?
一日の仕事を8時間で終わらせる短距離走みたいなペース感に最初は慣れなかったですね。
(注:片折では原則8時間労働を目指してみんなで働いています。)
これまではずっと労働時間が長い環境にいたので、「時間内にバチっと終わらせる」という働き方、速度に慣れるまでは大変でした。
ただ慣れてきた今は、自分の時間もしっかりとれるし、お茶会に行ったり加賀藩の歴史を調べたりなど、料理人として深めたいテーマに時間を使えているので、すごくいいなと思っています。金沢城をよく散歩してます(笑)
一日の流れを教えてください。
- 6:00出勤、仕込み開始
- 10:30営業前ミーティングで、メンバーの役割とお客様、献立の確認
- 11:30昼営業開始
- 14:00営業終了、営業後ミーティングでその日の反省の共有
- 片付けと引き継ぎ
- 15:00~16:00退勤
※適宜休憩
ドキドキしながら、チャンスに乗って料理をしたい
戸丸さんは28年にグループ内で独立を予定しています。
独立に向けて、今どんな思いですか?
最初に親方から聞いたときは、正直早いんじゃないかなと思いました。
片折で5年は修行するつもりで来たので。でも勢いとかタイミング、縁というのはすごく大切だと思うし、今はドキドキしながら準備を進めていきたいなと思っています。
独立したらやりたい料理、作りたい環境というのも自分の中にイメージしています。
独立に向けて、26年10月現在、特別営業「と丸」をされています。
と丸営業では、全国各地からお客様がいらっしゃるので、本当にありがたいですし、一層気合いが入りました。美味しいと言って下さるのが何よりもうれしいです。
農家さんに「葉物は焼くのが一番旨いよ」と教わったことを活かして作った「ほうれん草の焼きびたし」は特に評判の良い一皿で、畑のおいしさを伝えられているのかなと思います。
(と丸詳細ページ→[10/2~11/6開催] と丸 (片折特別営業)のご予約 - OMAKASE)
ありがとうございます!
最後にこれから片折に入社することを考えている料理人に、メッセージをお願いします。
金沢に来て、片折で働くことで、本当においしいものが食べられると思います。
正直、技術的なところは東京や京都のお店で十分学べるかもしれません。ただ北陸の豊かな自然の恵みを生かして、本当においしいものは何かということに向き合うことは、一番大事な経験になると日々感じています。
片折には、ここでしかできない料理と経験があります。お待ちしています。
片折では経験者採用も随時募集しております。
興味を持たれた方は、まずお気軽に見学・面談をお待ちしております。